シャトー・カスカデ、サン・ローラン・ド・ラ・カブレリス
メドック/ボルドーのブレニャンにある有名なクリュ・ブルジョワ・シャトー・トゥール・オー・コサンの所有者であるフィリップ・クリアンが、1992年にこのドメーヌを築きました。彼は、地中海にとても近いその地域の気候の良さと土壌の質という特質だけでなく、その土地の美しさにも圧倒されました。そこのテロワールが与える素晴らしい条件のおかげで、地域的な特徴を表わす極めて優れたワインを再び造り出せるであろうと彼は確信しました。彼が購入し、シャトー・カスカデと命名した90ヘクタールの所有地は、以前はシャトー・サン・ローランの一部でした。“シャトー・カスカデ”の名前はその土地にある大きな美しい滝にちなんでいます。エステイトは、50ヘクタールの“ガリグ(Garrigues)”(低木地)、10ヘクタールの農地、3ヘクタールのオリーブ農園、25ヘクタールのブドウ園で構成されています。ブドウ園の8ヘクタールは長い年月を経たカリニャン、7ヘクタールはグルナシュ、8ヘクタールはシラー、1ヘクタールはムールヴェードル、残りの1ヘクタールにはサンソーが栽培されています。多くのブドウの木は樹齢60から70年の古木ですが、平均樹齢は35~40年です。
メドックのクリュ・ブルジョワについて言うと、フィリップ・クリアンはシャトー・カスカデ(AOPコルビエール)を生産するためにとても伝統的な手段を用いています。シャトー・カスカデはこのエステイトの主要なワインで、5種類のブドウ品種を全て使い造られています。ブドウは手摘みで収穫され、茎を取る前に分類されます。伝統的なほうろうのコンクリートタンクでワインは発酵されます。その後、ワインの半分はオーク樽で熟成されますが、残りの半分はタンクの中に残され、2ヶ月ごとに澱引きされます。時期が来ると、ワインはブレンドされ、新鮮な卵白で清澄されます。およそ2か月後、ワインは瓶詰されます。
シャトーの家族は、その土地の美しい滝にちなんでブドウ畑もカスカデと新たに命名しました。フィリップ・クリアンは、メドックのシャトー・トゥール・オー・コサンの畑で作業していたようにこのシャトーのブドウ畑でも仕事をし続けています。彼はブドウ栽培やワイン生産のために環境に優しい方法を追求しています。数年の準備期間後、2013年ヴィンテージを皮切りにシャトー・カスカデワインは、BIOワイン、すなわち有機栽培ワインとして今では公認されています。シャトー・カスカデは、そのワインの洗練された品質に対し、ロバート・パーカー(ワイン・アドヴォケイト)とワイン・エンスージアスト(ワイン雑誌)からいくつもの称賛を受けています。